史上初のR指定CGアニメ『ソーセージ・パーティー』をしゃぶり尽くすための7箇条

2016年12月3日土曜日 映画

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http://www.sausagepartymovie.com/site/

こんばんは、管理人です。本日の記事はR指定なので、よい子のみんなとPTAのクソばばぁは読まないでね。

超お下劣アニメ『ソーセージ・パーティー』の奇跡の日本公開から1か月が経過。ぼくは公開2日目に六本木で観てきました。いや~、腹がよじれるくらい笑わせてもらいましたね。アメリカからブルーレイを取り寄せるくらいハマッちゃいました。でも、映画評論家の前田有一さんは以下のように書いていらっしゃいます。

ソーセージを擬人化したキャラクターたちが、太いほうがイイだの長いほうがイイだの下ネタを飛ばす映画「ソーセージ・パーティー」。これを見て、ああソーセージからそういうものを想像するのは外人も一緒なのか、つまりこれって人類共通の言語なんだな、などと考えたりしたところで、あまりの虚しさに帰りたくなった。(中略)絵柄も多くの日本人にとっては可愛らしさとは無縁で、笑いと比例して共感も弱いからせっかくのラストの驚きも弱い。逆に言えば、このギャグ映画にマジ受けしている少々幼稚なメンタリティを持つ客層にとっては、ガツンとくる落ちともいえる。

http://movie.maeda-y.com/movie/02133.htm

「幼稚なメンタリティを持つ客層」だとおおおお~!

ちくしょう、正論すぎてぐうの音も出ないぜ。でもロシアの文豪マンジール・チンポフスキーはこう言っています。

『ソーセージ・パーティー』は映画じゃない。パーティーだ。

どんなパーティーにも一定のお作法があるというもの。それさえ知っておけば、もっと素直に楽しめるんじゃないかな。ってことで、『ソーセージ・パーティー』の日本一正しい(?)鑑賞ガイドをお届けします。※ネタバレ含みますのでご注意を。

1.タイトルの意味を知るべし

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http://www.sausagepartymovie.com/site/

「ソーセージ・パーティー」ってのはスラングで、「男だけの集まり(もしくは圧倒的に男が多い集まり)」を意味します。野郎ばかりで何をするかっちゅうたら、そりゃアルコールにドラッグにスケベ話に決まってるでしょ。

要するに、タイトルですでに、ろくな展開にならないことが暗示されているというわけ。だから「ラストが意味不明」とか今さら言ってんじゃねえよ。

2.キャストの顔を思い浮かべながら観るべし

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http://variety.com/gallery/sausage-party-cast-red-carpet-photos-seth-rogen-paul-rudd/

ぼくみたいにアパトー映画やSNLの大ファンであれば、声だけで誰が誰なのか分かりますが、そうでなければ事前にリサーチしておいたほうがベター。

チビで太っちょのソーセージをひょろっとしたマイケル・セラが演じているとかね、あらかじめ調べておくと2倍楽しめます↓

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http://movieweb.com/sausage-party-michael-cera-interview/

本作品は、とにかくキャストが豪華。アパトーギャングからはセス・ローゲン、ポール・ラッド、ジェームズ・フランコ、ジョナ・ヒルなどなど。SNLからはクリステン・ウィグにビル・ヘイダー。超一流のコメディアン/俳優が集結しています。なかでも注目していただきたいのはベーグル役のエドワード・ノートン↓

949846 - SAUSAGE PARTY
http://www.sausagepartymovie.com/site/

ベーグルはユダヤ人のメタファー。ウディ・アレンっぽい喋り方をするのが笑えます。

エドワード・ノートンはウディ・アレンのモノマネが大の得意なんです。SNLでも披露してくれました↓(3:25辺りからご覧ください)

3.悪役ドゥーシュバッグの正体を知るべし

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http://www.vulture.com/2016/08/sausage-party-takes-itself-too-seriously.html

六本木の映画館で本作品を観ていて残念だったのは、悪役のドゥーシュバッグが登場した時の観客の反応の薄さでした。

ドゥーシュバッグ(douchebag)ってのは女性の膣洗浄器(ビデ)のことですが、「イヤな奴」「クソ野郎」「調子こいてる奴」という意味もあります。「asshole」の同義語ですね。そのドゥーシュ君が、初登場シーンから食材たちに悪態をついたりセクハラしたり、横暴の限りを尽くします。まさにドゥーシュ(クソ野郎)! ぼくはゲラゲラ笑ってたけど、周りはポカーンとしてました。「なんでビデが出てくるの?」と思ったのかな。

ちなみに、ドゥーシュの声を担当しているのはニック・クロール↓

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http://www.imdb.com/name/nm1802209/

実はこの人、「ドゥーシュ」という役名で映画に出演したのはこれが初めてではありません。エイミー・ポーラー主演のドラマ『Parks & Recreation』ではザ・ドゥーシュ、『Held Up』というコメディ動画ではドゥーシュバッグという役名でクレジットされています。クソ野郎を演じさせるにはもってこいの俳優です。

4.小ネタを味わうべし

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https://www.wearemitu.com/mitu-voice/salma-hayek-voices-the-naughiest-taco-of-all-time/

『ソーセージ・パーティー』を楽しめるか否かは、随所に散りばめられた小ネタにどれだけ気づけるかにかかっています。さすがにホーキング博士を知らない人はいないと思いますが、ミートローフって歌手を知らなければ事前に調べておいたほうがいいですぞ。ジャケットの絵とか。

トゥインキーが「長期保存食品(non-perishable food)」として扱われているのも皮肉が利いてて最高。保存料がガッツリ入ってるから腐らない、ってことですね。

それから、言葉遊びね。

本作品には食材名をからめたダジャレがたくさん登場します。ただ、日本語字幕だと分かりにくいかも・・・。なので、いくつか紹介します。

ドゥーシュが「OK so…(オーケー、ソー)」と言った直後にケソ(スペイン語でチーズ)が「呼んだ?」みたいな感じで登場したり・・・

キンタマを直撃されたEl Guacoが「Right in my guac and balls」(guacamoleとかけている)と悶絶したり・・・

セス・ローゲン演じるフランクがトウモロコシに「Lend me your ears of corn」(earには“穂”という意味も)と言ったり・・・。

あと、テレサ・デル・タコの「Once you go tacco, you never go back-o」って台詞もリズムがよくて病みつきになります。

5.恒例のジョナ・ヒル弄りに備えるべし

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http://www.tribute.ca/movies/sausage-party/115682/

アパトーギャングの一人、ジョナ・ヒル。『40歳の童貞男』ではチョイ役だったのに、『マネーボール』ではブラッド・ピットと共演し、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』ではレオナルド・ディカプリオと共演し、アカデミー賞にも2度ノミネートされました。私生活でもディカプリオとつるんでいるらしく、すっかりハリウッドスター気取り。あまりに調子こいてるのでセス・ローゲンたちからよくイジられています(笑)。

それを踏まえて、ジョナ・ヒルが演じるカールを見てください。めっちゃ痛い殺され方をしますから。「お前、イキってんじゃねえぞ」ってことですね。

6.Fワードを堪能すべし

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https://memegenerator.net/instance/32480617

『ソーセージ・パーティー』にはFワードが126回登場するとのこと。90分の映画ですから、40秒に1回は言っている計算になりますね。

でも残念ながら、日本語字幕には下品さが全然足りなかった。女性翻訳者が担当したせいか、全体的に表現がマイルドに収まっていました。監督がスタンリー・キューブリックだったら怒られてもしょーがないレベルです。

なので字幕には期待せず、原音に耳を傾けて「ファック」という言葉を聞き取ってください。アメリカの映画館だと「ファック」が聞こえてくるとコール&レスポンスみたいに観客の中にも「ファック!」と返す人がいたりして盛り上がるんですよね。

町山智浩さんもコラムで書いていたように、ファックは「権威に対する反抗の象徴」でもありますから、ぼくたち無力な庶民は大いに楽しむべきでしょう。ファーーック!

7.根底にある哲学を理解すべし

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http://www.a-inquiry.com/ijin/nietche.html

「最後の乱交シーンが意味不明」という批判がよく聞こえてくるのですが、これはね、『ソーセージ・パーティー』の精神を正しく理解できている人にとっては必然のエンディングなんですよ。

はっきり言いましょう。

この映画、ニーチェです。

『ソーセージ・パーティー』とは、ニーチェの思想をバカでも分かるように描いたアニメです。

「神は死んだ」という言葉に象徴されるように、ニーチェは、天国に行くことを夢見ながら教会にアホみたいに貢いでいる奴隷根性丸出しのキリスト教徒を「畜群」「市場の蝿」と呼んで徹底的に嫌悪しました。「The Great Beyond(大いなる外の世界)」に憧れている食材たちと重なるところがあるではありませんか。でもニーチェは言うんですね。「天国(=The Great Beyond)なんて存在しねえよ、バーカ」と。

その代わりにニーチェは「永劫回帰」という概念を持ち出し、「生を積極的に肯定しろ」と説きます。良き来世なんてものは存在せず、仮に生まれ変わったとしてもまったく同じ人生が永遠に繰り返されるだけ。だから、今ある人生を精一杯謳歌しなさい、とニーチェは語ったのです。

そんなこと言われたら、誰だってセックスしまくるに決まってるじゃないですか!!!

特に、「神様は私たちをそういう風には作っていない」と言って同性愛を拒否していたブレンダ(クリステン・ウィグ)が最終的にはレズビアンのテレサ・デル・タコを受け入れたり、反目し合っていたラバシュ(ムスリムのメタファー)とベーグル(ユダヤ人のメタファー)が男同士でハメ合うシーンは涙なしには見られません。

要するに、くだらない偏見など持たず、何が正しいかは自分で決めろ、ってことですね。LGBTQコミュニティも納得の良識派コメディと言えるでしょう。

字幕はイケてないが、日本公開に踏み切ったソニー・ピクチャーズの勇気に感謝!

こんなお下劣映画を日本の映画館で観られる日がくるなんて誰が想像していたでしょうか。「どうせ日本人には分からんだろう」という業界人の勝手な思い込みでスルーされまくってきた海外コメディ。それを日本でも公開してくれるソニー・ピクチャーズさんの勇気には脱帽いたします。ぼ、ぼ、ぼくに仕事くださーーい!めっちゃ下品で笑える字幕作りますから~。

今日は熱くなりすぎました。また次回お会いしましょう~。

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